フォトストーリーは米国のTimeslipsに刺激を受けて生まれ、Timeslips社の協力を得ています。
About Photo Story
フォトストーリーとは、
写真や絵画を見ながら、ファシリテーターの問いかけに応える形で
物語を創作するプログラムです。
7 Features
世界数十か国で実施され、効果が実証されていて実績のあるTimeslipsのノウハウと、
日本の認知症当事者対象に対話型鑑賞ARTRIP実施の10年間で培ったノウハウを合わせたプログラム。
認知症当事者の方の特性を理解し、
安心して自分を表現できる場を作ることができる、ファシリテーターによる進行。
認知症の症状があっても無理なく参加できます。
静止絵や写真を見ながら、ファシリテーターの問いかけに応える形で少しずつ物語を創作するので、
誰でも物語創作に参加できます。
ご家族や介護者の方と一緒に参加できます。
事前準備が不要です。
元となる写真や絵は、フォトストーリーのウェブサイトからダウンロードできます。
アルツハイマー病になって最後まで残る情動を生かしたプログラムであること。
物語を創造するのに必要なのは想像力です。
写真や絵からなにかを感じることは認知症になっても問題なくできることです。
成果物が残ります。フォトストーリーのセッションは、物語として残ります。
自らの言葉がそのまま物語になることで、当事者の方は大きな喜びを感じ、自信を取り戻します。
Story
PHOTO STORY
「フォトストーリーって薬より効くしゃべり薬ですね。」
「(写真とともに印刷された物語を見て)すごく嬉しい。これを大きく印刷して、壁に貼りたい」
「タイトルは素敵な仲間達、私達のように」
これらは、過去にフォトストーリーに参加された当事者の方やご家族から頂いた感想のコメントです。
一般社団法人アーツアライブ代表理事の林が米国滞在中に認定ファシリテーターの資格を取得した「タイムスリップス」*という物語創作プログラムを元に、アーツアライブが過去10年間にわたって実施してきた認知症当事者の対象の対話型アート鑑賞プログラム「アートリップ」を通して培ってきた知見を取り入れて開発したプログラムです。認知症当事者の方が時にご家族や介護者と一緒にグループ、で、あるいは一人でも参加可能です。
帰国後、日本でも物語創作を実施する機会が何回かありました。彼らは1時間集中して物語創作を楽しみ、完成した物語は私達の先入観念を超越した独創的で素敵なものだったので、是非、多くの人に読んで頂きたいとずっと思っていました。
そんな時にコロナ感染で状況が一変しました。
高齢者施設の多くで家族を含めての外部の方の出入りができなくなり、また入居者の方の外出もままならなくなりました。これまで私達のような外部の専門家が実施していたプログラムの多くは中止となりました。その中で施設の介護士の方たちが感染予防の観点から自らの生活も自制しながら、できる限りのことをして入居者の方達を励ましているのを見て、一度スキルを習得すれば、これと言った準備がいらず、お金もかからずに実施できるフォトストーリーが喜ばれるのではないか、と思ったのです。
そこで忙しい介護士の方でも時間のある時に学ぶことができるオンデマンドでフォトストーリーのファシリテーションの仕方を学べるようにしました。フォトストーリーには、物語創作の元となる写真や画像が必要ですが、それも自分で用意するのは手間です。あらかじめ用意して提供してあげれば、その手間も省けます。そこで受講者には、アーツアライブが用意する画像の他に、フォトストーリーの元のプログラムであるTimeslips社の協力を得て同社が保有する数百枚の写真画像も自由に使えるようにしました。
*Timeslips について
米国発の物語創作プログラム。世界中に1000人に上る認定ファシリテーターがいる。
Timeslips Blogの認定ファシリテーターの林のインタビュー(英語)はこちら
Facilitator
物語創作において、参加者に問いかけをすることで、彼らのコメントを引き出し、それをまとめて物語を創作します。
ファシリテーターは、認知症当事者の特性を踏まえ、彼らが安心して自らが感じたことや想像したことを言葉にすることができる環境や雰囲気を作り、彼らの言葉を肯定することで彼らがありのままでいられるようにします。
アーツアライブでは、フォトストーリーを多くの方に楽しんでいただくために、プログラムを進行するファシリテーターを養成しています。
8時間の養成講座をオンラインで受講して、スキルを習得すれば、後は、フォトストーリーのサイトから画像をダウンロードしてプログラムを即始めることができます。
フォトストーリーは一人でも、グループでも参加でき、成果物としての物語が手元に残ることも大きなメリットです。自分たちの言葉から成り立つ物語を活字にしてみるのは嬉しいことだし、他の人に読んでもらうこともできる。更に物語で朗読会をしたり、物語に合わせてダンスをしたり、絵を描いたり、二次的に楽しむことも可能です。
受講後、所定のオンライン筆記試験に合格すると認定ファシリテーターの資格を取得できます。
別途、認定料がかかります。
■内容
8時間のオンデマンド講座
① フォトストーリーのプロセス
② ファシリテーションにおける問いかけの仕方
③ 開かれた質問と 閉じられた質問
④ 認知症を患う方とのエンゲージメントの仕方
⑤ 創作した物語の活かし方
■オンデマンド講座受講料 35,000円「予定」
(受講期間 6か月間)
■認定料 10,000円
※講座準備中
フォトストーリーで創作された物語の例
・フォトストーリー「三国物語」
日本、イタリア、オーストラリアの認知症当事者たちが同じ4枚の写真や絵を見て、それぞれ独自の物語を創作し、冊子にまとめました。