”ARTRIP””とは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のプログラムを元に日本で開発された、対話型アート鑑賞プログラムです。これまで国内の美術館などで開催され、のべ15,000人以上の方に奇跡と感動をもたらしてきました。
オンラインではアートの画像を見ながら、4、5人のグループで、思ったこと、感じたこと、気づいたことを、コンダクターの質問を通して自由に対話をします。アートの専門知識は必要ありません。ZOOM会議システムを通じて、PC、タブレット、スマホからつなぐアートの旅です。
長寿医療研究センター、センター長の島田裕之先生により脳を活性化し、認知症予防効果が実証されたプログラムです。アーツアライブは2013年よりARTRIPを国立西洋美術館で毎月開催、その他の美術館や施設を通して延べ人数1万人以上の認知症の高齢者とその家族にプログラムを提供し、数々の奇跡を生んできました。
3年前には同様のメソッドを使った企業社員向け研修プログラムも開発、大手企業社員延べ1000人が受講しています。
4月からオンラインでの試行を続け、この度、美術館開催と同様質を落とすことなくプログラムを実施することを可能にしました。 ①一般向け、②認知症当事者と介護者向けの、二種のコースをご用意しています。
今までにないアートの見方ができるようになり、また、参加を続ける中で自然とアーティストのように発想するようになっていることに気づくでしょう。この変化は認知症当事者の方にも、一般の方にも起こります。コロナで外出を控えている方もARTRIPでアートを楽しみましょう。対話型鑑賞の経験豊富な認定アートコンダクターが、皆さまのアートの旅のお供をします。
実証研究からの以下の効果が確認されています
💡 認知症の危険因子であるうつ状態の改善への効果/国立長寿医療研究センターとの共同研究
💡 「参加型アート」がウェルビーイング(幸福度)、QOL(生活の質)、さらに身体的健康も向上させる効果/カナダマギル大学との共同研究(世界10カ国が参加)
参加者からのコメント「ARTRIPを経験して」
衝撃的だった点は、すっかり忘れていた「絵を描きたい!」という衝動が半世紀ぶりによみがえったことです。頭の中で血液がたぎるような気がしました。同じ絵を見て色々な感じ方・解釈が人それぞれにあるんだ、と改めて知ったことも大変新鮮な感覚でした。眠っていた脳が覚醒して動き出しました。
ARTIPをオンラインでも経験しました。二枚の絵を見ながら、皆でわいわい言いながら鑑賞して美術館で得たのと同じ効果を得ることが出来ました。むしろ、他の参加者がそばにいない分、発言がよりし易い気がしました。なにより、自宅で参加できるし、インターネットがあればどこでも参加が可能なのは有難いですね。旅行が好きな私には旅先でも参加できるというのは大きなメリットです。(石田徹 71歳)
👩🏻🎓プログラム監修:林 容子 (一般社団法人アーツアライブ代表理事)
国際基督教大学と米国デューク大学において美術史を専攻した後、米国コロンビア大学で日本人初のMFA(芸術修士、アートマネジメント)を取得。
2010年NY近代美術館で最新の対話型鑑賞プログラムに出会い、同館の数回にわたるトレーニングと日本語訳したマニュアルで日本向けプログラムとしてARTRIP(アートの旅)を開発、プログラムのファシリテーター養成講座を開講、これまでに延べ250名余に教える。国内外の専門家と共に、アートが”ウェルビーイング” ”QOL”また”高齢化社会”に与える効果についての研究を続けている。アートマネジメントの分野の第一人者として尚美学園大学大学院ほか一橋大学院、武蔵野美術大学でも教鞭をとる。主な著書に「進化するアートマネジメント」「進化するアートコミュニケーション」(ともにレイライン刊)、「アートリップ入門:認知症のうつ、イライラを改善する対話型鑑賞」(2020年8月、誠文堂新公社)がある。